マレク・ハムシクとは?出身は?ナポリのレジェンドがなぜ中国移籍?

サッカーのアジアカップの熱狂が冷めやらぬ中、海外で活躍する日本人選手の移籍も話題になりました。

香川選手はドイツのボルシア・ドルトムントからトルコのベシクタシュへ移籍し、途中出場となったデビュー戦でなんと2ゴールの大活躍。
トルコでの未来は明るそうです。

またアジアカップは怪我により出場が叶わなかったながらも新しい日本代表のエースナンバー背番号10を背負う中島翔哉選手が所属するポルトガルのポルティモネンセからカタールのアルドゥハイルへの移籍が決まりました。

ヨーロッパの移籍市場は1月一杯で締まりましたが、ヨーロッパ外であればまだ移籍は可能です。

そして、2月に入って飛び込んできたニュースが、イタリア・セリエAのナポリに所属するレジェンドの中国への移籍話です。

近年経済成長の著しい中国は、サッカーの世界でも有名選手を高年俸で買い漁る「爆買い」を行っています。

ナポリのレジェンド、マレク・ハムシクとは?出身や経歴は?

イタリア・セリエAのSSCナポリに所属するマレク・ハムシクは、スロバキア、バンスカー・ビストリツァ出身のミッドフィールダーです。
1987年生まれの現在31歳。

地元の有名なクラブの下部組織ではなく、ユビエ・ポドラヴィツェという小さなクラブでサッカーを始めます。

その後2002年にスロヴァン・ブラチスラヴァの下部組織に移籍し、2004年に17歳の若さでトップデビューを果たします。
同2004年に当時イタリア・セリエAのブレシアに移籍し2005年3月にキエーボ・ヴェローナ戦でデビューしました。

しかし、この2004-05シーズンにブレシアは19位になってしまったため2部リーグであるセリアBに降格してしまうのです。

この降格は若いハムシクには追い風になりました。
降格したチームの中でハムシクは出場機会を着実に伸ばしていきます。

その結果、2006-07シーズンには40試合に出場し10得点の活躍でシーズンを終えました。
この活躍が目に留まり、2007年6月にセリエAのSSCナポリに移籍します。

ナポリへ移籍してもハムシクの成長と勢いは留まることことを知らず、2007-08シーズンにはMFでありながらFWを凌ぐ得点力を発揮してチーム最多となるリーグ9得点を叩き出しました。

このシーズン終了後にはイタリア人選手以外では初となるイタリア若手選手賞を受賞します。

その後11年間をナポリへ捧げ、チームのキャプテンとして、そしてナポリのレジェンドにまでなりました。

ナポリのレジェンド、マレク・ハムシクはなぜ中国へ移籍するのか?

ナポリはあのサッカーの神様、マラドーナがキャリアのピークを過ごしたクラブとして知られていますが、クラブの規模や予算を考えるとFCバルセロナやレアル・マドリードのような世界的に有名なビッククラブとは大きな差があります。

決してナポリがヨーロッパで競争力がないということはなく、むしろイタリアでは王者ユベントスと優勝を争うほどの強豪です。

しかし、選手としてリーグ優勝やヨーロッパチャンピオンのタイトルを獲得して華々しいキャリアを過ごしたいと考えれば、ビッグクラブへの移籍を夢見たり希望したりすることはごく自然であり、それを非難できる人はいないでしょう。

ナポリで目覚ましい活躍を続けたハムシクには、この11年の間に何度もビッククラブへ移籍するチャンスがありました。

サッカーの世界でハムシクほどの活躍をする選手であればビッグクラブへ移籍してキャリアアップするのが当然で自然です。
そしてビッグクラブで活躍するハムシクの姿が見たかったサッカーファンは少なくありません。

それでもハムシクはビッグクラブからのオファーがある度にそれを断り続け、クラブへの忠誠をメッセージと共に示してきたのです。

この姿勢はファンの心を強く掴みました。
クラブの会長からも感謝と信頼を寄せられ、ハムシクはマラドーナに匹敵するかそれを超えるほどのナポリの象徴として愛されることになるのです。

そのハムシクが今回移籍を志願したのは、新しいチャレンジがしたいからでしだ。
ナポリのファンはもちろん残念でしょうが、サッカーファンにとってはなぜ今なのか疑問に思う方が多かったことでしょう。

ビッグクラブのオファーを蹴り続けたハムシクはナポリで引退するものだと誰しもが思っていました。
なぜなら移籍するならビッグクラブへ行けばよかったからです。

それもなぜよりによって中国へ…。
ハムシク、お前も金なのか。

こう感じたファンもいることでしょう。

しかし、ここにはハムシクなりの葛藤がありました。

31歳となり引退を見据えてこの後のキャリアを考えた場合、移籍できるチャンスはいましかありません。

新しいチャレンジがしたい思いとナポリへの忠誠心の間で彼の心は揺れ動いたことでしょう。

ハムシクが出した結論は、「ヨーロッパではナポリ以外でプレーできない」でした。

ナポリのレジェンド、マレク・ハムシクの中国移籍まとめ

今回のこのハムシクの移籍話は、ビジネス面ばかりが強調される昨今のサッカー界では珍しく人情と男気を感じさせる話でした。

クラブに尽くしたハムシクのその貢献に、ファンやクラブはその決断を尊重することで感謝と敬意を表しました。

ハムシクはそのキャリアで大きなタイトルを取ることはできませんでした。

しかし、こうして多くの人々に愛される選手となり敬意を持ってレジェンドとまで呼ばれる存在になったのです。

彼にはタイトルよりもサッカー選手として価値のあるものがそこにあったのでしょう。

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