5月29日の『クレイジージャーニー』は、ゲストに丸山ゴンザレスさんを迎えました。
これまでも数々の危険地帯を取材してきたゴンザレスさんが、今回訪れたのは南アフリカです。
治安がよろしくないとよく聞く南アフリカですが、いったいどんな現実がそこにはあるんでしょうか。
密造酒、いけない薬、違法鉱山、貧富の格差と、”危険”がてんこ盛りの内容になっています。
それでは、今週の『クレイジージャーニー』を見ていきましょう。
丸山ゴンザレス『クレイジージャーニー』の番組放送内容は?
旧黒人居留区「ソウェト」に潜入
ゴンザレスさんついて誤解していました。
ふくよかな方だと思っていましたが、ベンチプレスで160kg上げるほどの怪力の持ち主だったんですね。
危険地帯に取材に行くには、それなりの備えも必要なんでしょうか。
向かったのは、南アフリカ最大の都市、ヨハネスブルクです。
東京からは、約20時間かかります。
ゴンザレスさんにとっては、10年振りの南アフリカだそうです。
ヨハネスブルクは経済的な中心都市で、”アフリカ感”はあまりありません。
南アフリカの国土は日本のおよそ3倍、人口は約5700万人です。
2010年には、サッカーW杯が開催されるなど、経済発展が目立っています。
一方で、特にヨハネスブルクは治安の悪さでも度々話題になる都市です。
今回のゴンザレスさんの取材テーマは、「経済格差」と「人種問題」でした。
- 旧黒人居留区「ソウェト」へ
- 街は10年前に比べ発展しており、商店の数も増えている
- アパルトヘイト撤廃から20年経過しても、経済的な白人優位の構造は変わっていない(アパルトヘイトとは、南アフリカで行われていた人種差別的政策のこと)
- さらに、黒人間でも格差が広がり、ソウェトにその縮図を求めた
- ソウェトの広さは、ディズニーランド約160個分
- ガイドは、ソウェトに生まれ育ったニャイコさん(26歳)
- ソウェトは、高級エリア、中級エリア、低所得者層エリアに分かれている
ゴンザレスさんは、ソウェトの高級エリア、中級エリア、低所得者層エリアを順に取材していきました。
<高級エリア>
- 高級エリアから入ったが、違和感なく普通で、しっかり管理された街という印象
- 高級エリアには、高級住宅が多く、車も豪華、電気柵といったセキュリティーも備えている
- 住んでいるのは、経営者、医者、弁護士などで、住宅価格はおよそ1000万円
- インタビューした塗装会社の経営者によれば、格差の原因は「教育」
- 学校が多くあり、世界3位の大きさを持つ巨大な病院、ショッピングモールがある
<中級エリア>
- 住んでいるのは中産階級
- 車を降りると、道端にゴミがたくさん(ゴミ回収のインフラが機能していない)
- トウモロコシで作った、マッシュポテトのようなものを売る屋台が路上にある
- その隣では、牛の頭を解体している
- 牛の頭の肉を焼いたり、スープにして売っている(ちゃんと肉屋から仕入れている)
- 肉もスープもおいしいらしい(チリソースを付けて食べるもつ煮込みのような感じ、200円くらい)
- 別の屋台では、「スマイリー」と呼ばれる羊の頭の丸焼きが売られていた(焼くと口元が笑ったようになるから、600円)
- ニャイコさんの知り合いのお宅へ
- きれいで立派な家だが、玄関や窓は鉄格子で守られている
- 中もとてもきれいで、経済的な余裕も感じられる
- 家は600万円、家主はUberの運転手をしている
- 空き巣が多く、治安が悪い
- インタビューに答えた、この家の奥さんも格差は感じるという
- 昔はお金がなかったので息子は学校を卒業できなかった(26歳の現在も無職)
- 人種も学歴も重要だが、最も必要なのは「コネ」
- 仕事そのものが少ない
- ニャイコさんに連れられて行ったのは、飲み屋(元々は密造酒を販売していた)
- かつて密造酒だったシェビーンという酒は、小麦粉を発酵させたもの(乳白色の見た目)
- 酸っぱい、おいしくない、クリーミーなゲロの味(口に広がる後味が不快)
- ソウェトビールは美味い
- 飲み屋にいる5割は失業している
- 企業で求めるのは大卒と資格も持っている人
- しかし、大学に行くお金も、資格のためのお金もない
『クレイジージャーニー』南アフリカ共和国ヨハネスブルグ・ソウェト編を見ていただいたみなさん、ありがとうございました。来週の放送でも引き続きヨハネスを取材しています。銃、麻薬、ギャングが多めです。 pic.twitter.com/FBuhw1UdJr
— 丸山ゴンザレス (@marugon) 2019年5月29日
ゴンザレスさんのいいところはマズイ物を飲んでも「クッセー」とか「マズっ!」とか言わない&顔に出さないトコ。例のお茶の時も顔に出すまいとリスみたいな顔に!現地の人に対しての礼儀。『口の中に広がる感じが凄く嫌な感じ』と淡々とレポするトコ。#クレイジージャーニー pic.twitter.com/wuLy3ft2b5
— kei. (@kaco5) 2019年5月30日
<低所得者層エリア>
- 「クリップタウン」と呼ばれるエリア
- 取材に向かう途中、大雨とひょうに降られた
- クリップタウンは低い場所にあり、トタンでできたバラックが密集している
- 道路脇に簡易トイレが並んでいる
- 無料の水道が10カ所ある(政府は居住を認めている)
- そこにいる人に「何しているんですか」と質問すると、「ただ立っているだけ」
- 正確には分からないが、およそ8万人が暮らしている(ソウェト全体では数百万人)
- 仕事はない
- 学歴も資格もないため、負のスパイラルを断ち切れない
- 政府には教育問題にもっと取り組んでほしい
- チップ欲しさにインタビューを受けようと寄ってきたり、パフォーマンスを始めたりと、人が集まってくる
- 日用品を売る店は、金網と鉄格子で守られている
- 発電機で携帯の充電を有料でやっている(1回50円)
- マリファナを育て売っている(販売は違法、個人使用は合法)
- タイヤの中のワイヤーを使って電気を引いている(電気の押し売り)
- クリップタウンはほとんどが盗電だが、危険もある
- ある家を見せてもらった(家族は3人)
- 中は狭く、屋根はトタン、主食は豆(豆のスープ)
- 夢も希望もないと、かなり悲観的
- アパルトヘイトが撤廃されても、現実は何も変わらない
- クリップタウンには、寄付金で運営されているアフタースクールがある(大人も通学できる)
- 政府は頼れないから独自に学校を運営している(2007年設立)
- 貧困から抜け出すための手助けを、教育で行っている
ソウェトでは、「教育」とそれにかかる費用が、格差を生んでいることが分かりました。
教育を受けられないと、仕事に就くこともできません。
そのせいで負のスパイラルが生まれ、貧困の連鎖から抜け出せなくなっています。
特に、低所得者層エリアのクリップタウンではそれが顕著ですが、中には独自に教育的支援を行う人がいました。
この人はクリップタウンの出身ですが、運よく教育を受けられたため、クリップタウンを出ることができたそうです。
政府には頼れないため、クリップタウンの人々に教育的な手助けをしようと、2007年にアフタースクール(放課後学校)を設立しました。
ここでは、修了証は出せませんが、子供と大人の分け隔てなく、教育を受けることができるそうです。
この男性は、クリップタウンでも尊敬されている方で、今回の旅のガイドを務めたニャイコさんも尊敬しているそうです。
違法鉱山の実態とは
ヨハネスブルクは金鉱山で有名で、金の採掘量もトップクラスでした。
2006年位までは、世界一の金産出国でした。
近年では、閉鎖された金鉱山で違法採掘をする人が増えているそうです。
ゴンザレスさんは、そんな「違法鉱山」にも潜入しました。
- 茶色い岩の間の穴を、ロープを伝って降りるゴンザレスさん(よく見るやつ)
- 穴は垂直に300mあり、ロープで降りていく(ロープがまた細い)
- 小さい踊り場が断続的にあり、300mを下りると3kmくらいの坑道が横に通っている
- 当時の鉱夫達は、ここで3~5日を過ごし、金を掘っていた
- ゴンザレスさんは、登れない危険性を考えて途中まで降りた
- 違法採掘している人たちに同行した
- 落盤事故も多く危険
- 荒野に穴が縦に掘っているだけの簡易的なもの(ちゃんとした設備はない)
- カメラがある取材はNGだった(違法なので)
- 閉鎖された鉱山なので、現在はあまり金は採れない
- それでも仕事がないので、ここだけで400~500人は働いている
- 1カ月で1000円になるかどうか
- 金の精錬所は民家にある
- ジャーナリストとは明かせない雰囲気だった
さらに、呪術用品を扱う市場にも潜入しました。
南アフリカには、シャーマニズム的な呪術で病気を治すという、民間療法があるそうです。
そうした人々が祈祷などに使う品を扱う市場では、黒い噂が絶えないので行ってみたいということでした。
- ヨハネスブルク郊外の「ファラデー薬市場」
- 「カメラは止めろ」とすごい言われる
- 乾燥させた植物が売られているようだ
- 違法な動物の素材を扱っているようで、市場の人が神経質になっている
- 入場30秒で撮影は中止
と、今回はここまで。
ゴンザレスさんの南アフリカの旅は来週に続きます。
来週は、どんな”クレイジー”を見ることができるのでしょうか。
今週の『クレイジージャーニー』は、以上になります。
クレイジージャーニー丸山ゴンザレスが南アフリカ危険地帯取材旅へ!まとめ
- 今回の取材したのは、南アフリカのヨハネスブルク
- 取材のテーマは、「経済格差」と「人種問題」
- 旧黒人居留区「ソウェト」に行った
- ソウェトは、高級エリア、中級エリア、低所得者層エリアに分かれている
- 高級エリアには、経営者、医者や弁護士が住んでいる
- 中級エリアも暮らし向きはいいが、飲み屋の客の半数は失業中
- 低所得者層エリア「クリップタウン」は貧富の差をかなり感じさせる
- 「教育」が格差の原因
- 違法鉱山で金を採掘している人もいる
- 黒い噂のある「ファラデー薬市場」では入場30秒でカメラNGに
シャビーンは酒場のことです。
白い発酵酒はたぶんUmqombothiのことではないでしょうか。
もしそれだとしたら、私は美味しいと思います。
トタン小屋の住民も電気はプリペイドで買っています。
売主が盗電しているかどうかまでは存じませんが…
小屋に住みながら真面目に働いている人も沢山います。
番組を見逃し、残念です。