仲邑菫初段が囲碁を始めたきっかけは?日本棋院の英才枠とは何?

囲碁界の最年少プロ棋士、仲邑菫(なかむら すみれ)初段が大きな話題となっています。
まだ新小学5年生の10歳ですが、アマチュアでは大人を負かすほどの実力の持ち主でもあります。

みなさんは、囲碁に親しみがあるでしょうか?
そういった方は、あまり多くはないというのが現状かもしれません。
学校に囲碁・将棋部があったかもしれませんが、部活の中でも派手な存在ではありませんね。

囲碁のイメージといったら、どういったものでしょう。
縁側で本片手に、おじいちゃんが打っている。
また、ドラマや映画の中で、政財界の大物が碁盤を挟んで会談など。
なかなか、日頃から囲碁に触れる機会は多くないですよね。

しかし、この囲碁。
とても歴史のあるゲームなのです。
発祥は中国で、春秋時代には成立していたと推測されています。
現在でも読まれている、『論語』や『孟子』の中では囲碁の話題が出てくるそうです。

日本に伝わったのは、7世紀頃と考えられています。
貴族を中心に広がり、正倉院には碁盤と碁石が収められています。
室町時代末期には、専業の棋士、つまり今のプロ棋士のような存在が現れるようになりました。
江戸時代に入ると、幕府によってより組織化が進み、技術的にも進歩していったそうです。

一昔前までは、日本は世界的にも囲碁界をリードする存在でした。
囲碁強豪国だった日本には、韓国や中国から多くの棋士が学びに来るようになり、また逆に日本の棋士が出向いて指導することもあったそうです。

その影響か、現在は韓国と中国が囲碁界をリードする存在となり、日本はそれを追う形になっています。話題となっている仲邑菫初段も、7歳より韓国へ囲碁修行に行き、韓国囲碁界の重鎮とされる韓鐘振(ハン・ジョンジン)九段に師事していました。

こうした状況からか、囲碁の日本棋院は「英才特別採用推薦棋士」という、「英才枠」を新設しました。
仲邑初段は、この「英才枠」でプロになったのですが、いったいどのようなものなのでしょう。

今回は、日本棋院の「英才枠」と、仲邑菫初段が囲碁を始めたきっかけについても紹介したいと思います。

仲邑菫初段が囲碁を始めたきっかけは?

仲邑菫初段は、父は囲碁のプロ棋士・仲邑信也九段、母は元囲碁インストラクターの仲邑幸(みゆき)さんという環境に生まれ育ちました。
さらに、叔母は女流棋士の石井茜三段です。

3歳頃から囲碁に触れ始め、母親の幸さんから基本を学びました。
3歳7カ月でアマチュアの囲碁大会に出場すると、5歳で関西アマ女流囲碁名人戦Bクラスで優勝します。

6歳の時には、渡辺和代キッズカップで優勝しました。
7歳になると、さらなるレベルアップのために韓国へ囲碁修行に行くようになります。
日本の学校に通いながら、韓国の囲碁道場にも通い、日本と韓国を行き来する生活が続きました。

韓国は、現在では囲碁先進国で囲碁道場が多く、囲碁を専門に学ぶ囲碁学校もあります。
子供の知力が磨かれることを期待して、囲碁が習い事としても人気があるそうです。

仲邑初段は、さらなる成長のために、高いレベルの同年代がいる韓国で修業を積むことにしました。
囲碁では、師匠について学ぶのが一般的だそうです。
仲邑初段は、韓国囲碁界の重鎮である韓鐘振(ハン・ジョンジン)九段に師事し、韓鐘振道場に通って囲碁を学んだそうです。
日本での師匠は、父である仲邑信也九段です。

師匠の韓鐘振九段は、仲邑初段を同年代では実力・才能ともに抜きん出ていると、高く評価しています。

韓国のメディアでも、仲邑初段は「天才囲碁少女」として取り上げられたこともありました。

仲邑初段は、日本棋院が新設した「英才特別採用推薦棋士」の試験に合格し、プロ棋士となりました。
そして、囲碁ナショナルチームの育成選手にも選ばれています。

仲邑菫初段が採用された日本棋院の英才枠とは何?

仲邑菫初段は、「英才特別採用推薦棋士」としてプロになりました。
この「英才特別採用推薦棋士」というのは、日本棋院が新設した「英才枠」のことです。

日本で囲碁のプロになるためには、日本棋院か関西棋院で認められ採用される必要があります。
「所属団体」に近いニュアンスかもしれません。
日本棋院の方が関西棋院に比べて規模が大きく、それだけに在籍しているプロ棋士の数も多くなります。

日本棋院と関西棋院には、それぞれ育成機関があり、ここで成績上位者になることでプロへの道が開きます。
日本棋院と関西棋院では、それぞれ院生制度の採用年齢が異なります。

日本棋院の院生制度は、男女ともに17歳までに入段(段を取ること、つまりプロになるということ)することが条件で、それができなければ院生の資格を失います。

院生になるための条件は、14歳になる年度まで、院生の期間はアマチュア大会への出場は認められません。
しかし、外国籍の場合は、別規定が設けられています。

日本棋院によるプロ試験は、1年に夏と冬の2回が行われ、夏は院生のみですが冬は外部のアマチュア棋士も受験することができます。
しかし、プロとして採用されるのは23歳までという上限があります。

関西棋院の院生制度は、女子は26歳、男子は17歳までに入段することが条件です。
この期限までに入段できなければ、院生の資格を失います。
仮に院生の資格を失ったとしても、その後は一般のアマチュアとしての扱いとなります。

関西棋院には、院生制度の他に「研修棋士制度」というのがあります。
これは、アマチュア全般に対して開かれたプロ採用制度です。

対象は26歳未満の男子、またアマチュア名人戦での優勝歴があれば30歳まで制度を利用することができます。

「研修棋士制度」の試験は、低有段者と2回、高有段者と1回の計3回の対局の内、2回勝利すれば合格となります。

まず、院生になるための規定が厳しいですね。中学生くらいまででないと院生にすらなれません。
しかし、さらに厳しいのはその後です。
仮に院生になれたとしても、その中からプロになれるのは5%ほどと言われています。

今回、仲邑菫初段が採用された「英才枠」は、このどの制度からも外れた別のルートということになります。

仲邑初段は、元々通常のプロ試験を受けるつもりだったそうです。
ですが、日本棋院が新設した「英才枠」で実力・実績と試験対局の結果が認められて、プロとして採用されることになりました。

英才特別採用推薦棋士での採用の条件は、

  1. 原則として小学生であること
  2. 日本棋院のプロ棋士2名以上の推薦があること
  3. 実績と将来性があること
  4. 日本棋院の現役7大タイトル保持者ら、そしてナショナルチーム監督とコーチらの2/3以上の賛成
  5. 日本棋院の審査会・常任理事会によって決定されること

となっています。

仲邑菫初段が囲碁を始めたきっかけは?日本棋院の英才枠とは何?まとめ

仲邑菫初段は、3歳の頃より母に囲碁の基本を教えられました。
その後、7歳からの韓国留学を経て、昨年プロ棋士として採用されました。

この採用は、英才特別採用推薦棋士という新設された「英才枠」での採用です。
この新設された制度は、通常のプロへのルートとは別の特別ルートです。

日本囲碁界は、韓国と中国に圧倒されている状況が10年以上続いています。
国内5冠を保持している井山裕太九段でさえ、世界ランキングでは50位前後です。

韓国・中国に対抗するために、さらなるエリート育成枠として英才特別採用推薦棋士という制度を新設したという狙いがあるようです。

囲碁ファンの中には、こうした動きを歓迎する一方で、小学生の子供に対する扱いを懸念する声も少なからずあります。

関連サイト
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