5月8日に放送された『クレイジージャーニー』は、”デニムアーティスト”越後谷隆之(えちごや たかゆき)さんがゲストでした。
「デニムアーティスト」
デニムアーティスト?
聞きなれない肩書ですよね。
越後谷さんは、デニム、いわゆるジーンズを製作されているのですが、”職人さん”ではありません。
メーカーだったり職人さんは、大量生産とハンドメイドの差こそあれ、均一に高品質な製品を作ろうと努力しています。
品質にばらつきがあったり、個体差が大きくては売り物になりません。
しかし、越後谷さんのポリシーは全くの逆です。
同じものは2度は作らず、製品に個体差があるのは当たり前です。
むしろそれが前提になっています。
ですから、自らを”職人”ではなく、”アーティスト”としているのです。
昨日のクレイジージャーニー
越後谷隆之さん。100年前のリーバイス501を再現する男として出演されてましたが、
なんとも素晴らしい生き方(^O^) pic.twitter.com/piRFo45YA3— アンニャ(星ドラ) (@annya65082855) 2019年5月9日
これには、越後谷さんが目指しているものと深い関りがあります。
- 目標は100年前のリーバイス501
- 当時の製法にのっとって製作する
- 使用するミシンなどの道具も当時のもので揃える
- 100年前のリーバイスはハンドメイド
- 当時は、製品ごとの個体差があるのは当たり前、色落ちにもムラがあったりした
リーバイスと言えば、ジーンズ業界では代表的な存在ですよね。
その中でも「501」は定番です。
ジーンズ好きなら一度は憧れた501ですが、越後谷さんが作りたいのは100年前の501の完全再現です。
「効率」や「合理的」とは対極のポリシーを持つ越後谷さん。
凄まじ過ぎるこだわりの全てを
ご覧あれ!!#デニムアーティスト#越後谷隆之#ジーパン#デニム#リーバイス#リーバイス501#ニューヨーク#クレイジージャーニー#tbs#松本人志#設楽統#小池栄子 pic.twitter.com/lj3W2G50de— クレイジージャーニー (@Crazy_Journey) 2019年5月8日
“デニムアーティスト越後谷隆之”『クレイジージャーニー』の番組放送内容は?
今週の『クレイジージャーニー』を振り返っていきましょう。
デニムアーティスト越後谷隆之さんのこだわりがすごい
向かったのは、越後谷さんが製作の拠点としている、アメリカ・ニューヨークでした。
スマトラと昆虫食からの落差がすごいですね。
- 越後谷さんの仕事場へ
- 築100年以上の建物をリノベーションし、近代的な空間になっている(広さは50平米)
- 古いミシンがたくさん
- 100年前は、ミシンを用途によって使い分けていた
- 中には、シンガー社のアメリカ独立100周年記念モデルもある
- 骨董的価値のありそうなミシンを、多数揃えている
- さらに、テーブル、ランプ、アイロンや作業道具も50年以上前のもの
骨董品のような道具が所狭しとある作業場ですが、入り口付近にはジーンズが陳列されていました。
- 501はリーバイスの型番を示す番号
- 501の最大の特徴は、「リベット」という生地を補強するための金具
- 「リベット」はその後、多くのジーンズメーカーに取り入れられた
- 501は130年間の歴史の中で、幾多のマイナーチェンジを繰り返し、世界中で愛され続けているリーバイスの象徴的な存在
- 希少なヴィンテージの501は、オークションで1本600万円の値が付いた
さらに、リーバイス501の歴史について。
結局はリーバイス501#クレイジージャーニー pic.twitter.com/UXpkmMTyUu
— 畑中槙人/Makito Hatanaka (@makitohatanaka) 2019年5月8日
- リーバイス501は、1890年に誕生した
- 作業着として作られ、炭鉱夫や農夫の間で大ヒット
- 当時は、ベルトではなくサスペンダーで装着していた(ベルトループもなかった)
- ベルトループがついたのは1922年(サスペンダーボタンもついていた)
- 1920年代はミシンの性能が向上したため、生産効率も向上。大量生産の時代になるとともに、ジーンズの歴史では過渡期の時期
- 第二次世界大戦の時代にもマイナーチェンジを繰り返した
- 1950年代には、洗濯すると縮んでしまうことから、腰のラベルが革製から紙製に変更。そして、股部のボタン留めはジッパータイプに
- 1950年代には、俳優のマーロン・ブランド(『ゴッドファーザー』などへの出演で知られる)が映画の中で履いたことをきっかけに、若者のファッションアイテムになった
- ロゴの「E」が「e」になったりと、その後も何度もマイナーチェンジを繰り返して、現在でも世界中で愛され続けている
デニムアーティスト越後谷隆之さんのジーンズ製作に密着
こだわりのジーンズ作りを見せてもらうことになりました。
製造工程は、オーソドックスな「裁断」、「縫製」、「部品付け」の3つです。
どんなこだわりがあるのでしょうか。
①裁断
- 生地に、お客さんのサイズに合わせた型紙を置き、一気にハサミで裁断
- 次はポケットの内側の生地の選定
- 選んだのは「ツイル」という生地
- 越後谷さんは、ただ100年前の501を再現するだけでなく、同時代に使われていた別の生地を使ってカスタマイズする、遊び心も加えている
②縫製
- まずはジーンズの後ろポケットから
- 普通にミシンで縫っている
- ように見えるが、写真資料から推測して、使用されていたであろうミシンを用途ごとに収集している
- 次はボタンを留めるフロント部分
- 本当に、パーツごとに専用ミシンを使い分けている
- 股の部分の縫い方は企業秘密
- 秘密の理由は、”ヒゲ”の出方に関りがあるから
- ”ヒゲ”は股から太股部分にかけてできるシワのことで、この出方で格好良さが変わる
- そのため、股部分の縫い方は、ジーンズ製作の中でも重要なんだそう
- 越後谷さんは、100年前のジーンズと現在のジーンズのヒゲの出来方に大きな違いがあると気づいた
- とても貴重な100年前のジーンズを集め、その股部分の縫い目を解いて研究を重ねた
- 研究と独学で100年前の縫い方を習得した
- 裾上げ用のミシンはリーバイス社のミシン(当時のものでこれもかなり貴重)
③部品付け
- ポケット周りの「リベット」を付けていく
- 「リベット」こそが501がジーンズの原点と言われる由縁
- 1890年のリーバイス501誕生以前には、「リベット」は存在していなかった
- そのため、ポケットや股部分の生地の接合部分の強度は弱かった
- アメリカ西海岸のヤコブディヴィスさん(洋服屋を経営)がリベットを用いて生地を補強する手法を発明
- リベットを用いた破れにくいジーンズは、労働者の間で人気になり広まっていった
- ヤコブディヴィスと手を組み、「リベット」の特許申請をしたのがリーバイス
- そのリーバイスが販売した「リベット」付きジーンズが501
- 100年前と同じ機械を使ってリベットボタンを付けていく
- こうして越後谷さんのジーンズは完成
仕事部屋のロフト部分が、越後谷さんの住居スペースになっています。
寂しくなると、ミシンに話しかけたり、撫でたりしているそうです。
癖は強いのかもしれませんが、宮大工みたいに時代を超えて探求する姿勢は、ロマンとすごさも感じました。
ジーンズのお値段は1本650ドル、日本円でおよそ7万円だそうです。
デニムアーティスト越後谷隆之さんの”宝探し”と”新たな挑戦”
ジーンズ作りのない別の日の取材では、閉鎖された工場跡地へ行きました。
越後谷さんは、ここで古いミシンを探し出すのだそうです。
- やってきたのは縫製工場跡
- 越後谷さんは、一年ぶりにやってきた
- 建物の中は朽ち果て、はがれた壁紙からは時間の経過を…(これは”廃墟シリーズ”か?)
- 地下へ降りると、足の踏み場もないほどに乱雑にものが並び、少し大きめの部屋に出た
- 昔のものが次々に現れ、越後谷さんはとても楽しそう
- 見つけたガラクタ=お宝は、後日に買い取った
- お宝探しはいくらかの収穫とともに終了
越後谷さんは、活動の場を広げようとしているそうです。
その取材の模様もありました。
- 越後谷さんは、タイ進出を目指している
- タイへ行くタイミングで取材班も同行
- トゥクトゥクで準備中の仕事場へ
- トゥクトゥクに揺られること20分、着いたのは古着屋さん
- 古着屋の店内を抜け、2階に上がった場所が仕事場
- ニューヨークよりは小さめだが、中の様子は変わらず、古いミシンが並ぶ(蓄音機やラジオもあった)
- タイでは、1年半かけて「酸化ジーンズ」を作っていた
- 高温多湿な気候と、ジーンズの経年変化は相性がいい
バンコクで暮らす、お客さんの元にも行きました。
着いたのは、ベンツがずらっと並ぶ大豪邸で、主はエイクさんという方でした。
成功者感がすごいエイクさんとは、仕事場の1階にある古着屋で知り合ったそうです。
エイクさんは、越後谷さんがタイに来る度にジーンズを注文しているそうです。
この日は、ジーンズのフィッティングに訪れましたが、越後谷さんのジーンズが国境を越えて愛されていることが分かりました。
今週の『クレイジージャーニー』は以上になります。
クレイジージャーニーデニムアーティスト越後谷隆之が作るジーンズ まとめ
- 越後谷さんは”デニムアーティスト”
- 同じジーンズは2度作らず、”職人”とは対極のポリシー
- 目標としているのは、100年前のリーバイス501
- 製法から道具に至るまで、100年前のやり方にこだわっている
- 古いミシンを多数所有している
- 昔は、工程ごとにミシンを使い分けていた(ヴィンテージのミシンを用途ごとに収集)
- 作業道具やアイロン、インテリアなども50年以上前のものばかり
- ジーンズの製作工程は、「裁断」、「縫製」、「部品付け」の3つ
- 股部分の縫製は企業秘密
- 秘密の理由は”ヒゲ”の出方に関わるから
- 貴重な100年前のジーンズを集め、縫製を解いて縫い方を研究した
- 縫い方は独学で研究し、写真資料から推測してミシンや道具を集めた
- 「リベット」はリーバイス501がジーンズ原点と言われる、象徴的なパーツ
- リベットの発明によって、生地の強度が飛躍的に向上したから
- 越後谷さんは、縫製工場の跡地に行っては、”宝探し”をしている
- そこで見つけた、ミシンや古い道具などは、後日買い取っている
- さらに、タイ進出を目指している
- タイの高温多湿な気候は、ジーンズの経年変化と相性がいい
- 古着屋の2階に仕事場があり、ニューヨーク同様に古いミシンが揃えられている
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