お正月から2週続けてテレビ東京とテレビ朝日で「大間のマグロの男たち」の特集が放送されました。
特に「大間」のブランドを広めたテレビ朝日の18年に渡るマグロ漁師シリーズは、人情と漁師の苦悩、18年の時の流れとこの世を去った伝説の漁師さんも出てきたりと歴史を感じます。
大間のマグロ漁師で人気の高い「山本家」は、18年の間に中心人物の山本秀勝さん、8年前に他界した父・富一さん、秀勝さんの反対を押し切ってマグロ漁師になった長男剛史(たけし)さんの3世代が漁師として登場しています。
今回は、凄腕若手ナンバーワン35歳の南芳一さん、弟の竜平さん(26歳)の南兄弟、ノリのよい1本釣り漁師、泉健志さん(33歳)が兄の学さん(43歳)、弟の竜太さん(27歳)のはえ縄漁船に乗り込み泉3兄弟でマグロ釣りに挑みます。
大間の漁師は「大間に大きなマグロがいない」「獲れたら天国、獲れなきゃ地獄」と口をそろえて言います。
さて、『マグロに賭けた男たち2020』で、男たちは巨大マグロを捕獲することに成功したのでしょうか?
マグロに賭けた男たち2020の放送結果!大間漁師山本秀勝は釣れた?
山本秀勝(1本釣り専門漁師)
- 1回目 バラシ(逃げられた)
- 2回目 159kg
- 3回目 115kg
長年1本釣りで大間の海で戦ってきた漁師で、このシリーズで撮影に参加しているのも一番長い方です。
純朴な話し方と方言、漁の時の掛け声などで一躍人気の漁師となりました。
また、費用の面や生活苦で漁に出るのを抑えたり、大間の海に負けて1本もマグロが取れない年が続いたりと子ども2人を抱えて生活していく姿はお茶の間の方々に涙を誘いました。
町営住宅に住んでいた山本秀勝さんは、亡くなったご両親から譲り受けた家に引っ越しました。
そこで、2年前から愛猫のピコ太郎(2歳)と静かに暮らしています。
1回目の漁では、25mのところまできたマグロを、糸が船のヘリで擦れた為、切れて逃がしてしまいました。
しかし!
今年の山本秀勝さんは、幸運グッズがあったのです。
1回目の漁のショックを隠し切れない山本秀勝さんでしたが、8年前に亡くなった父、富一さんが秀勝さんを心配して用意してくれたヤッケ(漁で着る作業着)を出してきたのです。
『ずっと、しまってあった。値札もついてるし、まだ、袖も通してねぇ』
2005年頃の生前の富一さんの映像では
「(秀勝さんが)心配でならねぇ。このままうまく続いてほしいがこればかりは何ともならねぇ」
と涙を流しながら語っていました。
そんな思いが詰まったヤッケにいよいよ袖を通し、漁に出ることに決めた山本秀勝さん。
なんと、このヤッケが大間の海を地獄から天国の海に変えてくれたのです。
放送上2回目の漁では、まさに死闘でしたがようやく159kgの巨大マグロを一人で釣り上げたのです。
この日に大間漁港に上がったマグロは3本、山本秀勝さんが獲ったマグロが一番大物でした。
さらに幸運は続きます。
放送上3回目の漁で、なんとマグロ漁ではマストアイテムの電気ショックが通電していないことが判明!
山本秀勝さんは不具合に気づかないままマグロと格闘します。
「何かおかしいな」
「やっ」
「やっ、効かねえ。なんで?電気効かない」
体力との勝負、暴れるマグロ、息切れ、それでも意識のあるマグロをモリで付き、エラにしっかりカギをかけ全身全霊で115kgのマグロを船に引き上げました。
漁師歴が長い山本秀勝さんですが、機械に頼らない漁師の勘と昔ながらの手法は身についているので、電気ショックを使用しなくても何とかとることが出来ました。
父富一さんの思いが、苦境の状況を助けてくれたのかもしれません。
今回100kg超の大物を2本も捕獲できたので、同じ漁師の長男家族と、お祝いの儀式「スーパーのお寿司で打ち上げ」をされていました。
1パック490円、広告の品、マグロ入りとナレーションされているところがほっこりします。
ちなみに2パック、買い物かごに入れてました。
南 芳和(若手ナンバーワン1本釣り漁師)
はえ縄漁法にて、50日ぶりの捕獲
- 186kg
2017年の放送では「大爆漁」で、使用した針を船に掛けてその功績を積んできたことを証にしていた南芳和さん(35歳)ですが、今年は大爆漁どころか、魚群にすら出会えない状況が続いていました。
仕掛けも引きずり漁法に変えたものの、全くマグロが喰いつく様子がありません。
南さんも漁師として船を始め経費がかかる上、家庭を持っています。
生活していくために背に腹は代えられません。
投資の上、はえ縄漁に転換し、弟の竜平さん(26歳)とともに「南兄弟」として大物マグロに挑戦し、見事兄弟の力でマグロを捕獲しました。
泉 健志(ノリがよい1本釣り漁師)
3兄弟ではえ縄漁業で捕獲したマグロ
- 164kg
88日ぶりに1本釣りで釣れたマグロ
- 35kg
いつもスナックで上機嫌な画像が放送される泉健志さん(33歳)も、苦境に立たされていました。
今年は当たりがゼロ・・・。
自然相手のマグロ漁、それも希少な大間のマグロを獲得しなくては生活できません。
お兄さんの泉学(まなぶ)さん(43歳)は、はえ縄漁業の船頭をしており、今回そこへお手伝いに行くことにしました。
学さんの船には一番下の弟竜太さん(27歳)がいつも同船していますが、今回は漁師でない二男を除く泉三兄弟ではえ縄漁でマグロにチャレンジしました。
1本目で大物が釣れたと思ったら、メカジキだった泉三兄弟。
漁港に卸しますが、もはや「外道」です。
しかし、撮影中に164kgの巨大マグロを捕獲することに成功しました。
また、泉健志さん自身も88日ぶりに35kgのマグロを一本釣りあげ、久々の伝票を切ってもらいました。
山本剛史(漁師歴5年 山本秀勝さんの長男)
はえ縄漁業の本領発揮!
- 1本目 148kg
- 2本目 135kg
- 3本目 174kg
- 4本目 225kg(流されて諦めたブイの仕掛けにかかっていた超巨大マグロ)
遅咲きの漁師デビューで、父秀勝さんから幾度となく「漁師になるのは反対」と言われてきた長男の剛史(たかし)さん(35歳)は、師匠泉裕樹さん(46歳)の船に乗り、はえ縄漁業で大間のマグロを捕獲しています。
山本剛史さんも、今年のマグロの少なさには危機を感じており、山本秀勝さん宅に行き、大間の海について語り合います。
二人とも大間の海は空っぽだと痛感し、父は
「自然相手の仕事だもの、こればかりはわからんよ」
と剛史さんに言葉少なに語りました。
師匠の泉裕樹さんも見切りをつけ、港から5時間かかる漁場、プランクトンが豊富な場所ではえ縄を行うことを決めます。
泉さんの甥で、元高校ラガーマンの海斗さんも同乗し、マグロの餌のイカ釣り6時間、はえ縄230本を2時間かけて投入しました。
泉さんの方針は間違いなかったようで、なんとここで全4本のマグロが釣れました。
4本目は他のはえ縄船のブイと絡まってしまい、ほどいていた際に1つブイが切れて流されてしまいます。
諦めて港に戻ろうとした際、泉さんに無線が入り、泉さんの流されたブイを見つけた仲間からの連絡でした。
「どうも、ブイの仕掛けに喰っているのがいるようだ」との連絡を受けます。
船はすぐにその場へ急行すると、そこには番組史上最大級の超巨大マグロがかかっていました。
その連絡を受け、港まで出迎える父の山本秀勝さん。
息子が立派に大間のマグロ漁師をやっている姿を一目見て静かに去っていきました。
まとめ
今回は、撮影に参加した漁師全員に「天国」が待っていました。
それでも、大間の海でのマグロを釣り上げるのは、至難の業のようです。
そして、仲間からの「無線」のおかげで大物を釣り上げることができた山本剛史さんの船ははえ縄漁船でした。
一本釣りの方が高値で取引されますが当たりの確率が悪く、設備費用が掛かる、はえ縄業に転換せざるを得ない状況です。
山本秀勝さんも、「はえ縄だけは無理だ。一本釣りでまだやるぞ!」と意気込んでいました。
前歯の治療と、大事なアイテム電気ショックのメンテナンスを忘れないでほしいです。
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