4月29日の『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ系列19:00~21:00)は、2時間スペシャルです。
「ウソかマコトかスペシャル」と題し、信じられない話や、謎めいた話などが6本予定されています。
その中の一つが、キリスト教の超保守派である「メノナイト」です。
メノナイトはキリスト教の宗派の一つで、今回の『世界まる見え』では、中米ベリーズのメノナイトの人々を紹介するそうです。
とはいえ、仏教徒の多い日本では、あまりキリスト教について知る機会がありませんよね。
失礼な話ではありますが、カトリックとプロテスタントの区別がつかない、というかよく分からない、という方も多いかと思います。
そこで、少しだけキリスト教について。
元々、キリスト教は一つだったのですが、11世紀頃にまず二つに分かれます。
これが、東西教会の分裂です。
東のギリシャ正教(東方教会)と、ローマ教皇をトップとしたカトリック教会(西方教会)です。
ローマ教皇と聞くと、「なんか偉いんだな」くらいにしか感じなかったりしますが、ローマ・カトリック教会の一番偉い方ということです。
昔の西欧は王様が支配する世界で、だいたい王様はこのローマ教皇から権威を与えられていました。
圧政に反対したい場合は、ローマ教皇に反旗を翻すことになり、「逆賊」になってしまいます。
そこで、正当な大義名分が必要になるわけです。
16世紀には、宗教改革が始まり、「ローマ・カトリック教会には従わない、我々は神に従う」と主張する人々が出現します。
こうした人々は、ローマ・カトリック教会に「抗議(プロテスト)」を行ったため、「プロテスタント」と呼ばれるようになりました。
この中には、カルヴァン派や、今回紹介する「メノナイト」のようなアナバプテスト派もいました。
「プロテスタント」と表現される場合は、「西方教会の中でローマ・カトリック教会でない宗派」という意味であることがほとんどです。
長くなってしまいましたが、さっそく「メノナイト」と「ベリーズ」という国について見ていきましょう。
メノナイトとは?
「メノナイト」は、16世紀のキリスト教・ローマ・カトリック教会の宗教改革でできた、アナバプテスト派に分類される宗派です。
「プロテスタント」の一部でもあります。
#サスペリア元ネタ ヒロインのスージー(ダコタ・ジョンソン)は、メノナイトという質素を重んじるプロテスタントの出身。ドイツからアメリカに移民した。アーミッシュはメノナイトのなかの厳格派。 pic.twitter.com/jLUVAVgOId
— 町山智浩 (@TomoMachi) January 20, 2019
特徴は、非暴力、または非暴力による抵抗や融合といった平和主義が挙げられます。
そのため、ボランティアに積極的で、災害時の救助・支援活動は高く評価されています。
非常に厳しい戒律は前時代的とも言われるほどで、文明を否定するかのような暮らしは、19世紀で時が止まっているかのような印象を受けます。
- 主に農村部に住む
- 移動は馬車
- 携帯はもちろんテレビも禁止
- スポーツもダメ
- 服装も19世紀風
質素・勤勉を厳格に守るのが、「メノナイト」の人々の価値観です。
渋谷の若者を、放り込んでみたいですね。
現在の価値観からすれば、浮世離れしており、奇異の目で見られることも多いでしょう。
想像してみてください。
日本で言えば、ちょんまげ袴に、腰には刀。
馬にまたがり、四つ足動物は食べないという生活をする村が2019年にあるということです。
煩悩にまみれた我々にはなかなか適応が困難ですが、「メノナイト」の人々はそれだけに尊敬も得ています。
キリスト教の教えに忠実に生きる彼らは、隣人愛や平和、社会的正義のために積極的に活動しています。
恵まれない人々や、何かしらの手助けを必要としている人々、災害の被災者たちに手を差し伸べています。
「メノナイト」はしばしば、「アーミッシュ」と一括りにされて呼ばれます。
「アーミッシュ」も「メノナイト」と同様にキリスト教の教えに厳格に従い生活している人々です。
ただ、厳密には、アーミッシュがメノナイトの一部であるようです。
「メノナイト」のルーツは、ドイツ語やオランダ語が話される地域でした。
その後、一部が北アメリカへ移民したため、アメリカやカナダにも「メノナイト」の人々はいます。
さらに、北アメリカに移民した一部が南下し、中米に住むようになりました。
その一部が、「ベリーズ」のメノナイトです。
ベリーズはどんな国?そこでどんな暮らしをしているのか?
ベリーズは、東にカリブ海、北はメキシコ、西はグアテマラと接している中米の国です。
イギリス連邦の一国で、エリザベス女王の代理人としての総督がいます。
しかし、総督には実権はなく、首相がいて、政治は議会で行われています。公用語は英語です。
自然環境も豊かで、カリブ海には世界2位のサンゴ礁、南にはマヤ山脈の一部、そして湿地帯にはマングローブの森があります。
サンゴ礁保護区にある、「グレート・ブルー・ホール」は世界的にも有名です。
GDPはメキシコの半分ほどで、主な産業は農業と漁業です。
ベリーズと聞いてもあまりなじみがないかもしれませんが、ハバネロソースならどうでしょうか。
実は、ベリーズの特産の一つには、ハバネロソースがあります。
種類も多く、お土産としても人気があるそうです。
ちーちゃんに教えてもらったこのハバネロソースはまってかれこれ二年くらい食べてる 原産国ベリーズ ありがとうございます美味しいです チップスターとかプリングルスにつけて食べる最高 pic.twitter.com/TmkgVLmndT
— かなめちゃんさん (@kaname_usakko) 2015年7月31日
他には、ラム酒も有名です。
今日は「ラム酒」です🥃
ベリーズでは美味しいラム酒が有名です。
ココナッツ味、クリームラム、バナナ風味、シナモン風味、バニラ風味、、、
色々あります!
試飲も出来ますー🥴
ラム酒って、ベリーズに来るまでちゃんと飲んだことなかったけど、美味しい🥴💕#今日のベリーズ pic.twitter.com/55HwCaPCIB— 小澤美佳 / Mika Kozawa (@mica823) 2019年4月9日
ベリーズには、多くの人種が暮らしています。
- クレオール(アフリカ系とヨーロッパのハーフ)
- メスティソ(先住民とスペイン人のハーフ)
- マヤ先住民
- ガリフナ人(アフリカ系とカリブ系のハーフ)
- 中国系
- 中東系
そして、ドイツ系のメノナイトです。
ベリーズには、他では見られない標識があります。
「馬車に注意」。
は?何で?
すると、目の前を19世紀風の馬車が通り過ぎていく。
こんな場面もありそうです。
男性は、ハット、シャツ、長いパンツにサスペンダー。
女性は黒いワンピースで頭にはスカーフという格好が一般的です。
ベリーズの公用語は英語ですが、メノナイトの人々はルーツに従い、ドイツ語しか話しません。
基本的に車には乗りませんが、少しだけルールを緩和してトラクターを使うメノナイトもいるそうです。
メノナイトは、キリスト教の戒律に厳密に従い、そして平和主義です。
兵役にはつかないため、反発を招くことも地域によってはあります。
しかし、優れた農耕技術を持っていたため、ベリーズでは歓迎されました。
畜産業や家具作りなどでも、ベリーズ社会に貢献してきたため、ベリーズでは受け入れられてきたそうです。
世界まる見え!メノナイトとは?ベリーズでどんな暮らしをしている?まとめ
メノナイトは、キリスト教の宗派の一つ、アナバプテスト派です。
16世紀の宗教改革の流れから生まれ、プロテスタントに含まれます。
特徴は、キリスト教の戒律に厳格であることと、平和主義です。
服装は質素で、馬車に乗って移動したりと、19世紀の文化や生活を今も守っています。
テレビや携帯は持たず、スポーツもしません。
平和活動やボランティアを積極的に行い、災害救助・支援も行うことから、尊敬も得ています。
ベリーズは、中米にある国です。
東にはカリブ海、北はメキシコ、西はグアテマラと接しています。
サンゴ礁やマヤ山脈にマングローブの森と自然が豊かです。
多くの人種が暮らし、主な産業は農業と漁業です。
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