5月16日の『カンブリア宮殿』のゲストは、豆苗で年商100億円を稼ぐ、「村上農園」の村上清貴社長がゲストでした。
村上清貴(むらかみ きよたか)社長は、1960年7月生まれ、現在58歳の方です。
出身は山口県熊毛町で、「株式会社村上農園」の代表取締役社長を務めておられます。
村上社長は、広島大学を卒業後の1983年に「リクルート」に入社し、法人営業を担当した後の1988年からは「リクルート映像」に異動します。
リクルート映像異動後は、営業課長やマーケティング企画課長を歴任しました。
転機となったのは1993年。
親族である村上秋人さん(村上清貴社長のいとこにあたる)が当時社長を務めていた、「村上農園」から誘いを受けました。
この誘いを受けて、村上清貴社長は「村上農園」に入社しました。
村上清貴社長は、2007年に「村上農園」の代表取締役社長に就任しましたが、会社はある事件により廃業寸前の状態にまで追い込まれていました。
それが、1996年に大阪・堺市で起きたO-157事件です。
この事件は、学校給食を食べた教職員と生徒らおよそ8000人が大腸菌O-157に感染。
その後、感染者の家族らにも二次感染が起こり、小学生の女児3名が亡くなるという、平成でも重大な集団食中毒事件でした。
この事件を受けて、厚生労働省が原因をカイワレ大根とする内容の調査結果を発表し、消費者が買い控えをする事態に発展しました。
これにより、カイワレ大根農家や事業者は壊滅的な打撃を受け、廃業に追い込まれる農家もあったのです。
当時カイワレ大根を事業のメインとしていた「村上農園」もこの影響を受け、一時は廃業寸前にまで追い込まれました。
それが、現在は年商100億円です。
このV字回復には、どのような物語があったのでしょうか。
今週の『カンブリア宮殿』を見ていきましょう。
今週は安い!美味しい!健康的!と大人気の #豆苗 や #ブロッコリースーパースプラウト の仕掛け人、#村上農園 が登場。#発芽野菜、いわゆる #スプラウト を食卓に根付かせ、今や年商100億円に迫る勢い。実は創業40年以上、小さな小さなスプラウトにかけてきた愛情の裏に過酷な歴史が…。#レシピ pic.twitter.com/xbkehPpN4F
— カンブリア宮殿 (@cambrian_palace) 2019年5月12日
“年商100億円の村上農園”『カンブリア宮殿』の番組放送内容は?
村上農園は”スプラウト王者”
まずは、「村上農園」がどのような企業なのか、そして事業について見ていきました。
- 「村上農園」は広島の企業
- 元々はカイワレ大根の生産者だった
- 現在「村上農園」は「発芽野菜」で業界トップになっている
- スーパーでも目に付く豆苗、98円と安定した低価格で人気がある
- この豆苗ブームを仕掛けたのも「村上農園」
- 「村上農園」は”スプラウト市場”を急拡大させている
今回のキーワードでもある「スプラウト」ですが、これは「発芽野菜」全般を指します。
発芽野菜とは、つまり野菜の新芽のことです。
野菜の新芽は、種や成長したものよりも栄養価が高く、昔から欧米ではラディッシュやマスタードがよく食べられていました。
カイワレ大根もこうした”スプラウト”の一種で、一本ずつ育てれば、いずれ大根になります。
また、豆苗はえんどう豆が発芽したものです。
えんどう豆をそのまま食べるよりも、”スプラウト”の方が栄養価が数十倍あります。
豆苗に代表されるこうした「発芽野菜」は、価格が安定して低いことと栄養価が高いこともあり、現在その市場が急拡大しているのです。
それでは続きを見ていきましょう。
- 村上社長は”スプラウトの王者”
- ブロッコリースプラウトもヒットさせた(ブロッコリースプラウトはスーパーフードの一つに選ばれている)
- 栄養価の高いスプラウトは、健康需要の高まりに乗って急拡大している
- 村上農園の年商は100億円に乗る勢い
- 村上農園の生産拠点は、国内に8カ所ある
- 広大な施設では、生産の全てがオートメーション化されている
- 各拠点では、気候による発育の違いもミリ単位でチェックしている
- 村上農園は新しい生産手法によって、日本の食卓と農業を変えようとしている
#スプラウト #村上農園 #スルフォラファン #鉄の意志#むね肉 #帰って来そう腹筋
😆😆😆😆😆😆😆 pic.twitter.com/4YswUmfrUM— 西中島南 こうせつ (@WeSinseki) 2019年2月11日
村上農園廃業の危機と回復の軌跡、そして新たな戦略
後半は、村上農園が瀕した危機と、そこからの回復の軌跡。
そして未来を見据えた、新たな戦略に触れました。
- 村上農園は、1978年に広島で創業(創業者は村上社長の親戚である村上秋人氏)
- 紅タデから、カイワレ大根の生産へとビジネスを拡大していった
- カイワレ大根の生産では日本一になった
- しかし、1996年に起きたO-157による食中毒事件で最大の危機に陥る
- 当時、村上社長は入社3年目だった
- この事件の風評被害が拡大した(原因がカイワレ大根と疑われた)
- 生産のほとんどがカイワレ大根だった村上農園は、廃業の危機に立たされた
- 村上社長は、試験的に育て始めていた豆苗の生産に注力する
- 豆苗市場を拡大していった
- さらにブロッコリースプラウトの健康効果にも目を付けた
- ブロッコリースプラウト研究者であるタラレー博士を説得して、高品質なブロッコリースプラウト生産の独占的ライセンス契約に成功した
- 村上農園が販売する「ブロッコリースーパースプラウト(200円前後)」には、高濃度のスルフォラフォンが含まれている
- スルフォラフォンには解毒代謝機能をサポートする働きがある(肝機能の向上、免疫・防御機能の向上といった高い健康効果がある)
- 「ブロッコリースーパースプラウト」は、高齢者を中心に大人気になった
- ”スプラウト市場”の拡大に打って出て、一気に反転攻勢に
- 豆苗とブロッコリースプラウトのヒットによって、経営はV字回復し、年商はカイワレ大根を生産していた時代を上回った
特集でやってたから気になって購入。
栄養価がかなり高く、品質管理が徹底してる村上農園さんの豆苗。
みなさんの美味しい食べ方教えて下さい✨ pic.twitter.com/6gehZAJasH— MINT (@_mint_ramune) 2019年5月17日
国内のスプラウト市場を築き上げてきた村上農園ですが、その視線は世界へと向けられています。
- 村上農園は2012年に、沖縄の企業との合弁会社「沖縄村上農園」を設立した
- 沖縄では、夏場の葉物野菜の自給が困難であるという問題を抱えていた
- 沖縄の野菜事情の改善と、村上農園の生産ノウハウを地元企業に提供することを目的としている
- この事業を「沖縄モデル」としている
- このビジネスモデルが固まった後には、世界を視野に入れた、スプラウト野菜の生産ビジネス拡大を目指している
- 村上農園は東北にも新工場を建設中
- 村上農園のオートメーション生産をビジネスモデルとし、農業の未来を変える試みを続けている
#菅直人
この男は、存在自体が国民の不幸
1996年厚生大臣の時、確証も無く軽口叩いた「O-157事件でカイワレ大根病源説」
多くの事業者を地獄に叩き落とした
「村上農園」が、カイワレ大根からブロッコリー・スーパー・スプラウトと豆苗に変えたキッカケだ
https://t.co/K7HS1mdcxS— 🇯🇵護国・大和魂⛩ (@No_Shot_car21) 2019年5月17日
カンブリア宮殿村上農園の豆苗&スプラウトが安い!新たな戦略とは?まとめ
- 「村上農園」は広島の企業
- 元々はカイワレ大根の生産を行っていた(カイワレ大根の生産で日本一になった)
- しかし、1996年のO-157事件で風評被害が拡大し、カイワレ大根の生産中心だった村上農園は廃業寸前にまで追い込まれた
- 当時入社3年目であった村上社長は、試験的に栽培していた「豆苗」の生産に注力し、豆苗市場を拡大していった
- さらに、健康効果が高いブロッコリースプラウトにも目を付けた
- ブロッコリースプラウト研究者のタラレー博士を説得し、生産のための独占的ライセンス契約を結ぶことに成功
- 高濃度のスルフォラフォンを含む「ブロッコリースーパースプラウト」は、高齢者を中心に大ヒットした
- 村上農園の経営はV字回復し、年商は100億円になった
- 村上農園は国内に8つの生産拠点を持ち、生産は全てオートメーション化されている
- 2012年には、沖縄の地元企業との合弁会社「沖縄村上農園」を設立
- 沖縄では夏場の葉物野菜の自給が困難、という問題を抱えている
- この問題を解消するとともに、高度な生産ノウハウも地元企業に提供している
- この事業が「沖縄モデル」として固まれば、このビジネスモデルを使って、世界を視野に入れた、スプラウト野菜の生産ビジネス拡大を目指している
- 村上農園は、農業の未来を変える試みを続けている
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